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タバコタイムズ Vol.02 服薬効果とタバコ

今回のタバコタイムズは、喫煙とお薬の関係についてお話します。
この回では「酵素」がポイントなので酵素を分泌する肝臓の働きから見ていきましょう。

喫煙と酵素 – 服薬効果の減衰

肝臓は、アルコールや薬など人体異物を解毒する酵素を作っています。
体内でこの酵素が働くことによって、便や尿といった排泄しやすい形に変えられます。
しかし、この酵素は喫煙によって量が増加する性質があり、
服用している薬の効果を落とすことがあります。

  • 抗精神病薬(ジプレキサ・リントン)
  • 抗うつ薬(ルボックス)
  • 気管支拡張薬(テオロング)、βブロッカー(インデラル)

※とくに上記リストの医薬品の代謝・解毒に深く関与しています

例:テオフィリン(気管支拡張薬)

テオフィリンは治療の際、血中濃度を適切にコントロールする必要がある薬剤ですが、患者が喫煙を開始した場合、テオフィリンの血中濃度が低下し喘息発作が起こりやすくなります。

禁煙の落とし穴 – 禁煙による症状の悪化

逆に、急な禁煙で症状が悪化することも考えられます。
先ほどの例で言えば、禁煙した場合には酵素の量が減少し、テオフィリン濃度が上昇するため、テオフィリン中毒によるけいれん発作などが発生する可能性が高くなるのです。

また、ジプレキサ(抗精神病薬)については、喫煙者の血中濃度は非喫煙者に比べ低くなることが報告されている薬剤です。ジプレキサは体内動態の個人差の大きい薬剤であり、ジプレキサ服用中の患者が突然の禁煙により、精神症状の悪化をきたしたとする症例報告もあります。

大切なのは喫煙習慣と服薬のバランス

このような相互作用は、酵素の影響が少ない医薬品に変更することで回避できます。しかし、治療上の理由から喫煙の影響を受けやすい医薬品を使用しなければならない場合もあります。

そのようなときは、患者の喫煙習慣を考慮し、バランスよく処方しなければいけません。症状や治療効果、副作用を注意深く観察しながらが投与量を調節しましょう。

喫煙している患者さんの内服薬と喫煙習慣を照らし合わせることで、
意外な発見があるかもしれませんね。

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